[PR]今日のニュースは
「Infoseek モバイル」

伊藤寛泰会員追悼ページ


 オールメン ヨーイ ロー、

 エイトはロウィングの華であり、良きオアズマンシップの象徴・・・。

 2005年8月28日、日曜日、午後4時半頃・・・、戸田漕艇場、1500m付近をライトパドルで進んでいた定期練習中のパルテ会エイト上で一人の漕手 が意識を失い倒れました。クルーはすぐさま艇を岸に着け、駆けつけた救急車によって病院へ搬送しましたが、蘇生処置も空しく、彼はこの世を去ってしまいま した。

 彼の名は伊藤寛泰、昭和53年一橋大学卒、享年51、昨年夏にパルテ会に入会、今年のシーズンからレースにも参戦、8月7日の隅田川ウォーターフェアレ ガッタにもKFクルーとして参加し、パルテ会4連覇達成を成し遂げたばかりでした。

 全く痛恨の極みです。
 入会後1年ほどの短い期間でしたが、伊藤さんと共に練習に励み、練習やレガッタを通じて、多くのパルテ会メンバーが艇友として信頼し、友情を感じていま した。
 深い悲しみを覚えると共に、伊藤さんのご冥福をお祈りするばかりです。



パルテ会員としての戦績:
戸田マスターズレガッタ舵手付フォア優勝(2005年5月5日)
翠水レガッタ一般男子ナックルフォア(KF)優勝(2005年6月26日)
隅田川ウォーターフェア一般男子KF優勝(2005年8月7日)
    


 
以下、当時の状況を少し詳しく記します。
 パルテ会定期練習として15:30からいつものように、ランニング、エルゴメーターを使用してのバック台の後、出艇。
 当日の最高気温は25度。軽く南よりの風も吹き、まずまずのコンディション。
 エイトは、伊藤さんから「腰が心配なので、パドルやスタート練習はやめてライトパドル程度にして欲しい」というリクエストがあり、分漕でのアップ後、折 り返してからレート22〜27で片道ロングのライトパドル。1周目を終わった後、コックスが伊藤さんと他1名(ウィークデーに脚を痛めたとの申告有り)に 「大丈夫か?」と声を掛け、両名「大丈夫。」との返答。2周目に入り、短い分漕の後、ライトパドルのロング。折り返して、ライトパドルを続け、1500m 付近に差しかかった時、突然伊藤さんが意識を喪失、オールを放し、後ろに倒れてしまいました。
 急ぎ、近くに着岸し伊藤さんを抱え下ろすと共に、現場近くで自校クルーをサポート中の大学女子マネに携帯からの119番通報を依頼。駆けつけた救急車で 伊藤さんは戸田中央総合病院に搬送されましたが、蘇生されず亡くなられてしまいました。
(なお、伊藤さんは企業レガッタに向け、午後1時開始で準備運動を含めて約1時間KFの乗艇練習をしました。そのKFを出す際に腰をひねったということ で、軽いメニューで1周半程度の乗艇だったそうです。揚艇後、パルテ会の練習開始まで1時間半ほど休憩時間が有りました。)


彼の最後のレースとなった隅田川ウォーターフェアレガッタ。パルテ会の4連覇と御自身のパルテからのレース出漕3連勝が賭かった一戦の模様を同じ艇で3番 を漕いだ能村会員にレポートして頂きました。彼へのはなむけとしてここに掲載いたします。

「隅田川ウォーターフェアKF4連覇必達クルー顛末記」

 テレビ観過ぎオヤジKF(C:高橋嘉一、S:高橋敦、3:能村、2:間、B:伊藤寛泰)は・・・隅田川ウォーターフェア4連覇が賭かったレースで、老獪 な2番:間さんがスタート7本目でローロックのゲートピンを開くという「離れ業」で見せ場を演出!オールを流してもハンドルは離さないのがTVドラマとは 違う。凄腕!
 12艇3組でタイムレースというイベントなので、「艇差が開いても最後まで力漕」とスタートからフルパワーで漕ぎ始め、キャンバス差をつけた途端に上記 アクシデントが発生。
 アッと言う間に3位/4艇に転落。
 パルテからのレース参戦1年目で負け知らずのバウ伊藤さんから、3連勝がかかっているためか、持ち前の度胸からか、落ち着いた声で「漕いで!漕ぎ続け て!」の指示。整調と3番は何が何だかわからないまま2番のオールを引きずって力漕。バウも軽く漕いで3舷。コックスが大舵角でラダーを引いても隣の桑園 RCクルーにジリジリ近寄っていく。
 さすが業師!5〜6本で間さんはローロックにオールを入れ、ピン締めて、いつのまにか一緒に漕いでいる。すかさずコックスから「足蹴りいこう!」。桑園 RCを抜き去り、水があいた江戸川高校を追う。350m付近で江戸川に並んで刺す。ラスト150mスパート!のはずが艇差はそのまま。本部前で女性(パル テ会風紀委員長の私設応援団)から「パルテー!」の声が飛ぶも伸びず。最後はなんとか1.6秒差でこの組の1位を確保しました。
 「他の組に抜かれる」などと言いつつ待っていると、結局他組の1位とは10秒以上の差で一般男子KF優勝。義務付けられた4連覇を確保。一番安堵したの は、「(負けたら)今日のビール間さんの奢りね!」と言われ続けた(普段は)名手でした。
 同時に、伊藤さんはパルテ入会以来、負け知らずの3連勝を達成しました。
(「シート飛ばしてもうた」とはならなかった3番:能村記す)





パルテでは負け知らずだと微笑みて 
  黄泉の国へと漕ぎ去りし哉 (佇句)


       5月5日戸田マスターズレガッタ舵手付フォア、ゴール前の力漕(バウが伊藤さん)